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「CADオペレーターはやめとけ」と言われる7つの理由とは?

「CADオペレーターはやめとけ」と言われる7つの理由とは?

CADオペレーターは建築・製造・設備業界など幅広い分野で必要とされており、求人も多いため未経験から目指す人も少なくありません。しかし、インターネット上では「CADオペレーターはやめとけ」といった声が散見されるのも事実です。なぜ、そのように言われるのでしょうか?

実際の仕事内容や業務環境を知らずに就職してしまい、「こんなはずじゃなかった」と後悔するケースも少なくありません。

この記事では、CADオペレーターとして働く前に知っておくべき“現実”を7つの観点から解説していきます。自分に向いているかどうか、そして後悔しない職場選びのためにも、ぜひ最後までお読みください。

1. CADオペレーターはやめとけと言われる7つの理由
 ・理由① 初心者に対するハードルの高さ
 ・理由② 精神的プレッシャーが想像以上に大きい
 ・理由③ 高いスキルが必要なのに収入が見合わないことも
 ・理由④ 長時間のデスクワーク
 ・理由⑤ 単純作業の繰り返しになることもある
 ・理由⑥ 意外と関係各所とのコミュニケーション力が求められる
 ・理由⑦ 働く環境によっては残業や休日出勤が常態化する

2.CADオペレーターに向いていない人とは?
 ・PC作業が苦手である
 ・デスクワークよりも体を動かす仕事が好き
 ・新しいことをインプットするのがおっくうである
 ・正確な仕事よりも、アイディア一発で勝負したい
 ・ルーティン作業に飽きやすい人

3.「こんな求人は危険」仕事を探す際に気をつけたいポイント
 ・研修期間や教育体制についての具体的な記載がない
 ・業務内容が具体的に書かれていない
 ・残業や休日出勤についての記載があいまい
 ・「やりがい」や「アットホーム」など抽象的な表現に偏っている

4.CADオペレーターで実際に働く社員の声
 ・社員の声① 設計に貢献できるやりがいを実感
 ・社員の声② 丁寧に教えてもらえる環境でよかった

5.CADオペレーターの将来性とAIによる代替の可能性
 ・AIで代替されやすい業務とは?
 ・AIでは代替できない“人間にしかできない業務”
 ・キャリア形成のカギは「専門性」と「対応力」
 ・将来的に目指せるキャリアパスとは?

6.まとめ

「CADオペレーターをやめとけ」と言われる7つの理由

理由① 初心者に対するハードルの高さ

CADは専門的なソフトを扱うため、初心者にとっては学習コストが高くなりがちです。独学で覚えるには時間がかかり、実務レベルになるまでに挫折する人も少なくありません。また、現場によって使われるソフトが異なるため、ひとつ覚えてもすぐに通用しないこともあります。

さらに、知識だけではなく、実際の図面の読解力、製図に関する法律や規格なども必要になります。例えば建築図面では建築基準法、製造系ではJIS規格など、業界ごとに異なる専門知識が要求されるため、ただ操作ができるだけでは通用しません。

CADの勉強をする大学生

理由② 精神的プレッシャーが想像以上に大きい

CADオペレーターの仕事は、わずかなミスが全体の設計ミスや工事トラブルに直結するため、常に正確さが求められます実際に「寸法を1桁間違えて大問題になった」というエピソードは業界でもよく耳にします。

また、設計者や現場からのフィードバックも多く、修正依頼や仕様変更が頻繁にある中で、納期に間に合わせる必要があります。タスク管理や優先順位の判断が求められ、精神的なタフさが必要です。

理由③ 高いスキルが必要なのに収入が見合わないことも

業務では建築や製図の知識、CADソフトの操作スキル、図面の読み書きなど多岐にわたるスキルが求められます。職場によってはBIMや3D CADの使用を求められることもありますが、その割に給与が低く設定されている場合も。

特に戦力として第一線で活躍できるようになるまでは、報酬が少ないと感じることもあるかもしれません。キャリアパスや昇給制度が明確でない職場では、長く働いても報われにくいのが現状です。

参考記事:「CADオペレーターの平均年収・将来性を解説」

理由④ 長時間のデスクワーク

1日中パソコンの前で座りっぱなしの仕事が基本となるため、肩こりや腰痛、視力の低下など身体への負担が蓄積されがちです。適度な運動や休憩を取りにくい環境であることが多く、健康管理が難しいと感じる人も多いでしょう。

また、作業に集中するあまり、気づけば数時間同じ姿勢だったということも日常茶飯事です。身体を動かすのが好きな人にとっては、ストレスの原因になる可能性があります。

参考:全国健康保険協会「デスクワークによる健康への影響」

肩こりで悩む女性

理由⑤ 単純作業の繰り返しになることもある

CADオペレーターの中には、デザインや設計ではなく、図面のトレースや修正といったルーチンワークが多い現場もあります。創造性を発揮したいと考えている人にとっては、単調な作業にストレスを感じやすいかもしれません。

また、業務内容が偏っているとスキルの幅が広がらず、成長機会を逃すリスクもあります。「描くだけの人」として見られ、キャリアアップが難しくなることも。

理由⑥ 意外と関係各所とのコミュニケーション力が求められる

CADのお仕事と聞くと、ずっと黙々と作業するイメージがあるかもしれません。しかし実際には設計者、現場担当者、営業担当などと図面の内容を確認しながら仕事を進めるシチュエーションが多いのです。

要望のすり合わせ、変更の確認、トラブル時の対応など、相手の立場に立って意見を聞き、適切に伝える能力が必要です。単なる技術職ではなく、調整役としての立ち回りも求められる場面があるのです。

理由⑦ 働く環境によっては残業や休日出勤が常態化する

納期に間に合わせるために、繁忙期には残業や休日出勤が当たり前になる職場もあります。特に中小企業では人手が足りず、1人にかかる負担が大きくなる傾向もあります。

また、クライアントからの急な依頼や修正指示が入ると、スケジュールが後ろ倒しになり、深夜までの作業が続くことも。体力だけでなく、柔軟な対応力も必要です。

CADオペレーターに向いていない人とは?

CADオペレーターは、コツコツとした作業を正確に積み上げていくことが求められる職種です。華やかな印象を持たれがちですが、実際には地道な作業が大半であり、それに適性がない人にとっては非常にストレスのかかる仕事となります。以下では、CADオペレーターとして長く活躍するために、「どんな人が向いていないか」を具体的に紹介します。

参考記事:「私って、CADオペレーターに向いている?」必要な適性とは?

①PC作業が苦手である

CADオペレーターは1日中パソコンの前に座り、図面を作成・修正することが業務の中心です。マウス操作やショートカットキーを駆使しながら、正確にデータを扱うことが求められます。

そのため、タイピングやソフトの操作に慣れていない人、そもそもパソコンを使うこと自体にストレスを感じる人にとっては、非常に苦痛を伴う職種と言えるでしょう。また、CADソフトは高機能である分、操作に慣れるまでは覚えることも多く、PCへの苦手意識がある人には大きなハードルになります。

②デスクワークよりも体を動かす仕事が好き

CADオペレーターの仕事は基本的にデスクワークであり、多くの時間を座ったままこなします。設計現場に同行することは一部あるかもしれませんが、それも例外的です。

日々の業務が「座る→画面を見る→図面を描く」の繰り返しとなるため、体を動かしたり、外に出たりすることが好きな人にとっては非常に退屈で、やりがいを感じにくくなります。動的な仕事を求めている場合は、現場管理や施工などの別職種を選ぶほうが満足度が高いでしょう。

③新しいことをインプットするのがおっくうである

CADソフトは年々進化しており、AutoCAD、Revit、SolidWorksなど、求められるツールも時代や業界によって変化していきます。また、法改正や業界基準の変更に対応する必要もあり、常に「学び続ける姿勢」が求められます。

そのため、「一度覚えたらそれで終わり」と考えている人にとっては苦痛の連続です。新しい技術をキャッチアップする意欲がなければ、業務についていけず評価を下げられる可能性もあるため、継続的なインプットが苦手な人には不向きと言えるでしょう。

④正確な仕事よりも、アイディア一発で勝負したい

CADオペレーターの仕事では、独創性よりも「指示通りに、正確に、丁寧に」図面を仕上げることが最も重要です。細かい寸法や線のズレすら許されず、感覚ではなく論理や基準に基づいて作業を進める必要があります。

「自分の感性やセンスで勝負したい」「毎回ちがうことをやってみたい」と考えているクリエイティブ志向の人にとっては、ルールに沿って進めるCAD作業はストレスになるかもしれません。設計者やデザイナーとの役割の違いも明確であるため、「自分のアイディアを形にしたい」という気持ちが強い人には、物足りなさを感じやすい仕事です。

⑤ルーティン作業に飽きやすい人

CADオペレーターの業務は、一見すると多様に見えるかもしれませんが、日々の作業の大半はルーティンワークです。過去図面の修正、寸法変更、レイアウト調整など、作業の流れはある程度決まっており、自由度が高い仕事とは言えません。

同じことを毎日繰り返すことに耐えられない人、刺激や変化を常に求める人にとっては、すぐにモチベーションが下がってしまう恐れがあります。業務の中に楽しさややりがいを見出すには、自分で工夫できる力も求められますが、それを苦手とする人にとっては長続きしにくい職種です。

「こんな求人は危険」仕事を探す際に気をつけたいポイント

CADオペレーターとして働くにあたり、どの企業を選ぶかは非常に重要です。同じ職種でも、会社によって働き方や待遇は大きく異なります。ここでは、求人情報を見る際に特に注意すべきポイントを詳しく解説します。

研修期間や教育体制についての具体的な記載がない

「未経験歓迎」と書かれていても、実際は即戦力を求めている場合があります。業務の引き継ぎやOJTが曖昧な企業では、入社後に「聞いていた話と違う」と感じるケースも少なくありません。特にCAD業務は専門性が高いため、しっかりとした教育体制があるかどうかは非常に重要です。

求人票には、研修期間の長さ、研修内容(ソフトの使い方、製図ルール、業界知識など)が具体的に書かれているかを確認しましょう。また、教育担当者の存在やマニュアルの有無なども、長く働くうえでの安心材料になります。

業務内容が具体的に書かれていない

「CADオペレーター業務全般」といった表記は非常に曖昧で、実際にどんな作業を行うのかが分かりづらい求人です。図面作成だけなのか、それとも設計補助や資料作成まで含まれるのか、役割の範囲を明確に記載しているかどうかは重要なチェックポイントです。

また、使用するソフトウェアの種類(AutoCAD、Revit、Vectorworksなど)や、業界(建築、設備、機械など)も明記されていないと、自分のスキルや志向とマッチしているか判断できません。応募前に業務の中身をしっかり把握できる情報があるかを重視しましょう。

残業や休日出勤についての記載があいまい

労働時間に関する記載が曖昧な場合は要注意です。「繁忙期は残業あり」や「納期により変動あり」といった言葉の裏には、長時間労働が常態化している可能性も含まれています。

「月の平均残業時間」「残業代の支給有無」「代休制度の有無」など、具体的な労働条件の記載があるかを確認しましょう。また、社員の声やクチコミサイトなどを活用して、実際の働き方も事前にリサーチすることが重要です。

「やりがい」や「アットホーム」など抽象的な表現に偏っている

求人票でよく見かける「アットホームな職場」「やりがいのある仕事」などの表現には注意が必要です。これらは聞こえは良いですが、実態が伴っていない場合もあります。例えば、「やりがい」という言葉の裏に「責任だけ重くて給与は安い」といったブラックな環境が潜んでいることも。

抽象的なワードしか書かれておらず、職場環境や待遇について具体的な情報がない求人は、応募を慎重に考える必要があります。働くうえでの安心材料となるのは、数値化された労働条件やキャリアパスの記載です。

CADオペレーターで実際に働く社員の声

実際にCADオペレーターとして働いている人たちのリアルな声を紹介することで、職種の実情がより具体的に見えてきます。求人票や業界説明だけでは分からない、現場ならではの体験や感想は、職業選びの重要な判断材料になります。

以下では、異なる立場や背景を持つ現役CADオペレーターの実体験を紹介しながら、「やめとけ」と言われる理由の裏側にある現実や、実際に働く中でのやりがい・不満を明らかにしていきます。
参考:アシストエンジニア採用サイト「社員インタビュー 」

社員の声①「設計に貢献できるやりがいを実感」

「前職は携帯ショップの販売員でしたが、CADに興味を持ち、未経験から挑戦しました。現在は自動車工場でエンジン部品の設計支援を行っており、パソコンでの検証作業を中心に、現場確認も担当しています。自分の提案が設計に反映されたり、設計した部品が実際の生産ラインで使われたりする瞬間に、仕事の手応えとやりがいを感じています。コツコツと積み重ねたスキルが形になる仕事です。」
(参考元:インタビュー「自分のアイディアを形にできる仕事」

社員の声② 「丁寧に教えてもらえる環境でよかった」

「私は文系出身で、入社前は「CAD」という言葉さえ知らなかったのですが、アシストエンジニアの手厚い研修と先輩のサポートのおかげで、今では自動車のバッテリー部品の設計に携わるCADオペレーターとして働いています。最初の1年は本当にゼロからのスタートでしたが、基礎研修、CAD研修、現場での実践を通して少しずつできることが増えていきました。来年からは営業補佐として新しい仕事にも挑戦予定です。未経験でも、しっかり育ててくれる環境があるので、安心して飛び込んでほしいです。」(参考元:インタビュー「丁寧に教えてもらえる環境がとてもありがたい。」

CADオペレーターの将来性とAIによる代替の可能性

近年、AI(人工知能)やRPA(業務自動化ソフトウェア)の進化によって、多くの業務が自動化されつつあります。CADオペレーターの仕事も例外ではありません。特に単純な図面のトレースや修正業務などは、今後AIに置き換えられる可能性が高いとされています。しかし、それは同時に「人にしかできない仕事の価値がより高まる」ということでもあります。

AIで代替されやすい業務とは?

現在でも、建築や製造業界では、AIが自動で図面を生成したり、パラメトリックモデリングによって簡単な設計変更を自動処理したりする技術が普及し始めています。たとえば、BIM(Building Information Modeling)ツールでは、設計変更に伴う関連図面の修正をソフトが自動で行う機能もあり、従来は人の手で行っていた作業が大幅に効率化されています。

また、AIを活用したエラー検出ツールも登場しており、人間が見落としがちなミスを瞬時に発見できるようになっています。こうした流れから、単純でルーチン化された作図業務は今後ますます機械に代替されると予想されます。

参考:内閣府ホームページ「AIで変わる労働市場」

AIでは代替できない“人間にしかできない業務”

一方で、すべての業務がAIに取って代わられるわけではありません。例えば、顧客とのヒアリングを通してニーズを把握し、それを図面に落とし込む過程や、設計者や現場スタッフとの細やかな調整、臨機応変な対応といった「コミュニケーション」や「判断力」が求められる業務は、今後も人間の役割として残り続けます。

さらに、図面が意味する「構造的な安全性」や「機能的な実現性」を理解したうえで、設計意図を汲み取りながら作図するスキルは、単なる技術ではなく経験と知識の蓄積が必要です。これらの能力は一朝一夕にAIが真似できるものではありません。

キャリア形成のカギは「専門性」と「対応力」

CADオペレーターとして今後も価値を高めていくためには、単なる“操作スキル”の域を超えた専門性が求められます。建築士や設備士などの関連資格の取得、BIMや3D CADへの対応、業界特化型のスキル習得などがその一例です。

また、ITツールやクラウド、AIとの協働に慣れ、変化する技術環境に柔軟に適応できる「デジタルリテラシー」も非常に重要になります。こうしたスキルを積極的に身につけることで、AI時代でも“求められるCADオペレーター”になることができます。

将来的に目指せるキャリアパスとは?

CADオペレーターとして経験を積んだ後には、さまざまなキャリアの可能性が広がっています。たとえば次のとおりです。

  • 設計補助から設計担当者へのステップアップ
  • BIMモデラーや空間設計者としてのキャリア展開
  • フリーランスとしての独立
  • 教育担当・講師としての転身
  • 建設DX(デジタルトランスフォーメーション)分野への移行

これらの道はいずれも、“ただの作業者”にとどまらないための努力とスキルアップが必要です。将来性に不安を感じる方こそ、自分の今後のキャリア像を具体的に描き、必要な準備を早めに始めることが重要です。

まとめ

CADオペレーターという職種には、確かに「やめとけ」と言われる理由が存在します。
専門知識や高いスキルが必要であるにもかかわらず、給与面やルーティンワークや長時間労働、精神的プレッシャーに悩まされることもあります。
また、自分の希望や価値観に合わないまま職に就いてしまうと、早期離職やキャリア迷子になってしまう可能性も否定できません。

一方で、実際に現場で働く人たちの声からは、「やりがいがある」「手に職をつけられて安心感がある」「成長次第で将来の選択肢が広がる」といった前向きな意見も多く見られました。

結局のところ、CADオペレーターの仕事が「やめとけ」となるか「やってよかった」となるかは、職場選びと自己理解にかかっています。求人の見極め、スキルアップの意識、自分に向いているかどうかの見極めができれば、将来性のある職業として十分活躍できるでしょう。

当サイトには、選択肢に回答することで自分にあった職種がわかる「適職診断」を用意しています。今後のキャリア選択でお悩みの方は、ぜひご活用ください。

この記事を通して、自分に合った働き方やキャリア設計のヒントが少しでも得られたなら幸いです。迷ったときこそ、一歩立ち止まって「本当に自分に合った仕事なのか」を冷静に考えてみることが、後悔しない選択につながります。