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【AI時代】CADオペレーターに将来性はない?生き残るためのスキルは?

【AI時代】CADオペレーターに将来性はない?生き残るためのスキルは?

「AI技術の進化で、CADオペレーターの仕事がなくなるかもしれない…」


CADオペレーターへの転職を考えている方や、現役で働いている方にとって、AIと自身の将来性は非常に気になる問題ではないでしょうか。

この記事では、AIがCADオペレーターの業務にどのような影響を与えるのか、そしてAI時代を生き抜くためにどんなスキルが必要になるのかを、専門用語を避けて分かりやすく解説します。

結論から言うと、AIによって仕事の一部は自動化されますが、時代に合わせたスキルを身につけることで、CADオペレーターは今後も社会で必要とされ続けます。
この記事が、将来への不安を解消し、ご自身のキャリアプランを考えるきっかけになれば幸いです。

AIの進化は他人事ではない?AIが得意な業務とは?

まず、AIがどのような仕事を得意とするのかを知っておきましょう。
AIは「決められたルールの繰り返し」や「大量のデータからパターンを見つけ出す」ことに長けています。

例えば、単純なデータ入力や定型的な事務作業、マニュアルに沿った顧客対応、大量の画像やデータの分類・整理といった業務は、AIによる自動化が進みやすい分野です。
こうした「作業」は、人間よりもAIの方が速く正確にこなせるようになってきています。

【業界別】すでに始まっているAIの影響

AIの影響は、すでに様々な業界で現実のものとなっています。
特にCADオペレーターの仕事と関わりの深いIT業界製造業界では、その活用が急速に進んでいます。

IT業界:「人間の言葉」でプログラムを作るAIの登場

プログラミングの世界では、すでに革命的な変化が起きています。
その象徴が、ChatGPTを開発したOpenAIによるコーディングAI「Codex(コーデックス)」です。

Codexは、「こういう機能を持つボタンを作って」といった自然言語(普段私たちが使う言葉)での指示を理解し、自動でプログラムのコードを生成することができます。
この驚異的な技術は、すでに「GitHub Copilot」といった多くのエンジニアが利用するツールに応用されています。

これまで専門家が時間をかけて行っていたコーディング作業の一部をAIが瞬時に担うようになり、人間のプログラマーには「AIをどう活用して開発を効率化するか」「より複雑で創造的なシステム全体を設計するか」といった、さらに高度な役割が求められ始めているのです。

製造業界:設計から検査までAIが活躍

CADが主に使われる製造業界でも、AIの導入は目覚ましいものがあります。
設計要件を入力するとAIが最適な形状を何百通りも自動で提案する「ジェネラティブデザイン」や、AIの画像認識技術で製品の傷や欠陥を瞬時に発見する「品質検査の自動化」などがその代表例です。

このように、専門的な設計や検査の領域にもAIは進出しており、CADオペレーターの仕事と決して無関係ではないのです。

AIに代替される可能性が高いCADオペレーターの作業

では、具体的にCADオペレーターの業務の中で、AIに代替されやすいのはどのような部分でしょうか。

それは、AIが得意とする「ルール化された単純作業」です。

例えば、紙の図面をCADデータに起こすだけの単純なトレース作業や、指示通りに寸法やテキストを修正する定型的な作業、決まった部品データを図面に配置するだけの作業などは、将来的にAIに取って代わられる可能性が高いと言えるでしょう。

【結論】CADオペレーターの将来性は「業務内容」で決まる

AIの進化は脅威に思えるかもしれませんが、見方を変えれば大きなチャンスです。
結論として、CADオペレーターの将来性は、どのような業務を担当するかによって大きく二極化していくと考えられます。

設計者からの指示を待ち、言われた通りに図面を描くだけの「作業者」としての役割は、AIに代替されるリスクが非常に高いです。
一方、AIには真似できない価値を提供できる人材、例えば設計者の意図を汲み取ってより良い図面を提案したり、他部署と連携してスムーズに業務を進めたりできる人材の需要は、むしろ高まっていくでしょう。

つまり、単なるオペレーション業務から脱却し、設計やコミュニケーションといった上流工程に関わることが、AI時代を生き抜く鍵となります。
将来的には設計者へのキャリアアップも視野に入れ、常に新しい技術を学びスキルを磨き続ける姿勢が不可欠です。

AIに代替されない!市場価値の高い人材になるためのスキル

ここからは、AI時代に市場価値の高い人材になるために身につけるべき、人間にしかできないスキルを具体的に解説します。

AIを「ライバル」ではなく「便利な道具」として捉えることが重要です。

スキル1:コミュニケーション能力・調整力

AIには、相手の表情や言葉のニュアンスから真のニーズを汲み取ることはできません。
顧客や設計者が本当に求めていることをヒアリングで引き出す力や、関連部署との間に立って円滑にプロジェクトを進める調整力は、人間にしか発揮できない高度なスキルであり、今後ますます重要になります。

スキル2:課題発見・提案力

ただ指示通りに作図するのではなく、図面から問題点を発見し、改善案を自ら提案できる能力も極めて重要です。
「もっとこうすればコストを削減できる」「この設計では製造が難しいのではないか」といった、経験に基づく付加価値の高い提案はAIには困難であり、こうした能力を持つ人材は組織にとって不可欠な存在となります。

スキル3:IT・AIを使いこなすスキル

AIを恐れるのではなく、便利なツールとして積極的に活用する側に回りましょう。
例えば、AIが搭載された最新のCADソフトをいち早く習得したり、Pythonなどのプログラミング言語を学んで面倒な作業を自動化するツールを自作したりするのです。
AIを使いこなすことで、自身の生産性を飛躍的に向上させ、より創造的な仕事に時間を使うことができます。

IT・AIの知識を身につけるための具体的な方法

ITやAIの知識を身につける、と言っても何から始めれば良いか分からないかもしれません。
まずは、UdemyやProgateといったオンライン学習プラットフォームで、自分のペースでプログラミングやAIの基礎を学んでみるのが手軽でおすすめです。
また、書店で初心者向けの入門書を手に取ったり、専門家から直接学べるセミナーや勉強会に参加したりするのも良いでしょう。

具体的な目標として、次に紹介するような資格取得を目指すのも、学習を継続するモチベーションになります。

キャリアアップに役立つ!IT・AI関連の資格一覧

自分のスキルを客観的に証明するために、資格取得は有効な手段です。
ここでは、CADオペレーターからのキャリアアップに役立つ代表的な資格を表でご紹介します。

資格名内容目安勉強時間合格率難易度費用
ITパスポート試験ITに関する基礎知識を証明する国家資格
すべての社会人が対象。
100~180時間約50%★☆☆☆☆7,500円
基本情報技術者試験ITエンジニアの登竜門とされる国家資格
ITの基礎理論から開発まで幅広く問われる。
200時間以上約40~50%★★☆☆☆7,500円
G検定AI・ディープラーニングの活用リテラシーを問う民間資格
ビジネス活用が中心。
20~40時間約60~70%★★☆☆☆13,200円(一般)
Python3エンジニア認定基礎試験AI開発で主流の言語。Pythonの基本的な文法知識を問う民間資格20~40時間約75~80%★☆☆☆☆11,000円(一般)

※ 勉強時間や合格率はあくまで目安であり、個人の経験や試験回によって変動します。

まずはITの基礎知識を網羅的に学べる「ITパスポート」から、あるいはAIのビジネス活用に興味があれば「G検定」から挑戦してみるのがおすすめです。

まとめ

今回は、AI時代のCADオペレーターの将来性について解説しました。
この記事のポイントを振り返ると、AIの進化によって、CADオペレーターの業務の中でも単純な作図作業は代替される可能性が高いということです。
そのため、「指示通りに描くだけ」の働き方では、将来的に厳しくなるのが現実です。

しかし、悲観する必要はありません。コミュニケーション能力や提案力といった人間にしかできないスキルを磨き、AIを便利なツールとして使いこなす側に回れば、あなたの市場価値はますます高まります。

最も大切なのは、変化を恐れずに新しいスキルを学び続ける姿勢です。
AIの登場は、これまでの働き方を見直す絶好の機会と捉え、今日から新しい一歩を踏出してみてはいかがでしょうか。

執筆者:アシストエンジニア採用担当